ついに出るか大型新薬・C型肝炎治療薬「ソバルディ」
早くて5月の上市!期待の大型新薬「ソバルディ」
世界的ブロックバスターとされているC型肝炎治療薬の「ソバルディ(ソフォスブビル)」が早くも2015年5月に保険適応され上市される予定だ。
これによって、日本におけるC型肝炎の治療が大きく進むことは間違いないとしていいだろう。
ソバルディは、9割以上のC型肝炎患者に効果があると言われておりC型肝炎の新薬として発売1年で世界全体で年間売上100億ドルを超える程の大きな期待を持った新薬が日本に登場することとなる。
C型肝炎の患者数は150万〜200万人
対象患者となるC型肝炎であるが、MSDによれば症状のないキャリアを含めると150万〜200万人と言われており、また年間約3万人の死亡者といわれている肝臓がんの8割はC型慢性肝炎に起因するものだと言われており、その9割の患者にとって効果が期待できるソバルディは非常に治療メリットの高い新薬となり得るだろう。
製造販売元、ギリアド日本法人のスタートアップ
すでに製造元であるギリアド社は日本法人を用意しており、知人の話しによると他社MRを対象にしたMRの採用も行われていたという話しである。また、ギリアド社は現在メディカルアフィアーズ等の東京勤務の社員も募集している。
ギリアド・サイエンシズ株式会社の代表取締役社長にはノバルティスファーマ専務取締役、アムジェン日本法人社長等の経歴を持つ折原 祐治氏が就任しており、準備態勢が整った形でのソバルディ発売となる見込みだ。折原氏の化学工業日報でのインタビューでは200名程度の社員数でのスタートアップを見込む予定である。
一方でソバルディに対する懸念事項「薬価」
非常に高い効果と経口薬で服用が簡単であり、従来の治療法に比べ副作用が少ないとも言われている期待の新薬ソバルディであるが、私が懸念するのは薬価である。
アメリカでは12週間で約1000万円の薬価であり、非常に薬価の高い製剤だと批判の声も出ている。
1日10万円のC型肝炎薬が人気、米保険会社を圧迫―ギリアド社「ソバルディ」が驚異的売り上げ - WSJ
ウェルズ・ファーゴによると、今年最大の打撃を受ける保険会社はモリーナで、ソバルディの売上高が60億ドルの場合、利益は18%減少する。モリーナは同薬の費用をめぐり最も声高に反発している。モリーナのマリオ・モリーナ最高経営責任者(CEO)は「もっと少額であれば(費用を)吸収できたかもしれないが、実際はそうでない」と述べた。
アメリカでは保険会社から非常に強い不満(叫び)の声があげられているという。
現在の日本の財政下での保険適応によって、薬価はまだ未定であるが、同等の薬価がつけられた場合、患者にとっては福音であるが、国家財政にとっては凶報になるかも知れないと考察した。
ギリアド社からは
ギリアドの企業・医療業務担当執行副社長のグレッグ・アルトン氏は、批判に対し、「1錠あたり、あるいは1ボトルあたりの費用に注目しているが、それは的外れだ。患者の治癒にどれだけ費用がかかるかを見るべきだ」と述べた。その尺度で見れば、ソバルディの価格は治癒率の低い従来薬と同等で、むしろ17万5000ドル以上かかる肝臓移植の費用より割安だと指摘した。
との反対の声もあげられている現状がある。
意見:財政よりも命である。ソバルディは命を救えるか
実際の治療効果については、世界的に認められているとされているものの誕生間もない新薬である為に、実臨床でのデータに乏しい。
しかし、ソバルディは患者の命を救う可能性を大きく秘めている製剤であることは確かなようだ。
ソバルディ・ギリアド社今後の動向に期待したい。
ソバルディの想定薬価と、高額医療費負担制度を用いた日本での実際の患者の負担については計算中であるので、また改めて投稿したい。