C型肝炎新薬「ソバルディ」の患者さんの負担額は?支払い金額を計算してみた
薬価がネックとなるか「ソバルディ」
「ソバルディ」の患者さん負担額について試算する。
前回、ソバルディ上市でのC型肝炎治療への貢献の期待を書いた
海外での評価等を記載したので是非、一読いただきたい。
ついに出るか大型新薬・C型肝炎治療薬「ソバルディ」 - 医療ニュースハック
海外でも言われていることであるが、アメリカでは1日薬価が約10万円であり、非常に高価であることがネックとされているという(保険会社にとって非常に苦しいようだ)。果たして、日本での発売薬価はいくらになるのであろうか。
ここでは患者さん70歳未満、12週治療で100万円と70万の薬価の2ケースであると仮定して、患者負担を計算してみる。
「ソバルディ」の患者負担、支払いを計算してみた。
高価な製剤として知られるソバルディであるが、日本での薬価は未定である。
アメリカでは12週で約1000万とも言われる薬価であるが、
ケース1では12週で1000万円の薬価
ケース2では12週で700万円の薬価
としてそれぞれの使用患者の支払金額を計算してみる。どちらも70歳未満の場合の負担額を試算している。
実はソバルディを使用する日本の患者にとって薬価がいくらかであるかは、それほど気にかけなくてもよいものである。理由は後述する。
ケース1:ソバルディの薬価が12週で1000万円
年収約1160万以上 :約28万円の支払い額
年収約770〜1160万:約20万の支払い額
年収約370〜770万:約11万円の支払い額
年収〜370万:57,600円の支払い額
住民税非課税者:35,400円の支払い額
単純計算であり正確ではないが、およそこのような支払額になる。
計算方法は後述する。
ケース2:ソバルディの薬価が12週で700万円
年収約1160万以上 :約27万円の支払い額
年収約770〜1160万:約19万の支払い額
年収約370〜770万:約10万円の支払い額
年収〜370万:57,600円の支払い額
住民税非課税者:35,400円の支払い額
こちらも上下はあるがおよそこのような額になるであろう。
ケース1と比較すると薬価が300万円違ったとしても、年収370万円以上の患者では1〜2万円程しか負担額は変わらない。
また年収370万円以下と住民税非課税のケースであれば、薬価が違ってもどちらも同じ支払い額で良い。
次に計算方法を記載する。
ソバルディは高額医療費制度を利用できる
薬価が高くなるであろうソバルディであるが、現状から推測するに高額医療費制度を利用出来る製剤である。
高額医療費制度とは、高額になった医療費を公的に負担する(一度支払った後に申請を行い、支払った医療費を払い戻す事が出来る)制度である。
また、この適応条件は年収によって決められているものであり、月間の医療費の総支払い額が最低で35,400円以上であれば適応することが出来る制度である。
試算の計算方法は厚生労働省HPより
と今年の1月より定められているものを使用して作成した。
また、今回の計算に当たっては医療費負担となる受診料・調剤費等は計算に入れていないので正確な数字ではなく、また反対に世帯合算・多数回該当等の負担をより減らす制度も今回は考慮していない。
また各地域によって助成制度もある為、より負担額を低減させられる可能性もある。(東京都HP)
上記した数字が全てではないが、およその金額を掴んでいただければ幸いである。
ソバルディの患者負担は薬価に比べて非常に安い
支払額が最大でおよそ30万円と、患者にとってみては高く感じるかもしれないが、実際の薬価と比べると非常に負担額は低減されることは確実である。
また、9割の治療効果が期待出来るソバルディはそれまでの製剤での治療費を考えると安く済む期待が持てる製剤であると言えるであろう。
高額医療費負担については
こちらのPDFが非常にわかりやすい。
70歳以上のケースはそちらをご覧頂きたい。
この記事について、私の試算であり間違っている点があるかも知れないが、指摘やご意見を頂けると幸いである。
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